日本帰国後のソーシャルセキュリティー請求手続き ~最新情報~

文/蓑田透(Text by Toru Minoda)

これまで15年ほど海外(日本国外)居住者や、日本へ本帰国する人のサポート事業を手掛けていますが、米国からの帰国者について感じたことがあります。帰国者の多くはリタイヤ後の米国年金(Social Security、以下「SS」)受給者ですが、最近SS受給開始前の人(つまりこれから請求手続きをする60才代前半の人)も少しずつ増えているように思います。主な理由としては、

①SSの満額受給開始年齢(=FRA / Full Retirement Age)が年々上がっていること
②円安を追い風にFRA前の60才前半でリタイアし、日本または日米二拠点での第二の人生を考える人が増えたこと

といったことがあげられます。

SSは日本帰国後でも日米社会保障協定により、日本全国にある日本年金機構年金事務所でも請求手続きが可能です。当コラムでは2021年にSSの請求方法や社会保障協定について下記の通り連載しています。ご興味あれば合わせてお読みください。
・2021年6月19日 米国公的年金、日本帰国後の請求方法
・2021年8月26日 日本の年金における外国との「社会保障協定」とは?

SSの請求方法については2025年から提出書類が増え、より請求者に関する細かな情報が求められるようになりました。現在の米国大統領就任後、年金受給者への支給実態についての問題(架空受給者への支給など)が発覚しましたが、そうした背景から請求手続きがより厳格になったと思われます。今回はこうした最新情報について紹介します。

請求方法の最新情報

手続は前述の通り、日本全国にある年金事務所で手続き可能です。米国内のSSオフィスでの手続と異なり窓口では日本語で対応してくれますので便利です。下記は年金の種類ごとの提出書類になります。提出書類について、以前までは英文・和文記載のフォーム「①合衆国年金の請求申出書」だけでわかりやすかったのですが、2025年から英文のみの2種類のフォーム(下記一覧表の②③)が追加されました。

年金の種類(英語)支給対象者提出書類
Retirement Benefits(退職年金)62歳以上の被保険者①合衆国年金請求申出書※ ②SSA-1 ③SSA-21、
Spouse’s Benefits(配偶者年金)年金受給者の配偶者 /元配偶者①合衆国年金の請求申出書 ②SSA-2 ③SSA-21
Child’s Benefits (子どもの年金)年金受給者または死亡した被保険者の子ども①合衆国年金の請求申出書 ②SSA-4 ③SSA-21
Survivor’s Benefits(遺族年金)生存配偶者(元配偶者)①合衆国年金の請求申出書 ②SSA-10 ③SSA-21

※下記は①の申出書のイメージ(日本年金機構ホームページよりダウンロード可)

ここでは紙面の関係上各フォームの記入方法までは説明致しません。そうした情報を含め請求手続きの詳細については駐日米国大使館、および日本年金機構のウェブサイトからも確認することができます。説明様式は異なりますがどちらも内容は同じです。両方を見て理解しやすい方を参考にするのがよいでしょう。

<手続き詳細>
https://www.nenkin.go.jp/shinsei/kyotei/usa/usa-seikyu.files/hayamihyou.pdf
<駐日米国大使館ウェブページ>
https://jp.usembassy.gov/ja/services-ja/citizenship-services-ja/totalization-agreement-ja/
<日本年金機構ウェブページ>
https://www.nenkin.go.jp/shinsei/kyotei/usa/usa-seikyu.html

尚、ここでの説明は新規に米国年金の請求方法についてです。既に米国内でSSを受給している人が、日本帰国後に住所および受取銀行口座の変更手続きを行なう場合は、必要なフォームを米国大使館年金課へ郵送にて提出します。こちらの手続き方法については下記ウェブページをご参照の上、担当者へ電話またはメールにてお問合せ下さい。

<駐日米国大使館ウェブページ>
https://jp.usembassy.gov/ja/services-ja/citizenship-services-ja/post-entitlement-services-ja/

手続き方法がわからない場合

上記で紹介した米国大使館、日本年金機構のウェブページの説明を読んでも手続き方法がよくわからない、英語が苦手で英文フォームへの記入ができない、という場合は当社までご連絡ください。お手伝い致します。

本コラムの英訳版/English translated version of this Column
http://www.life-mates.jp/Eng_Column12

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蓑田透 (Minoda Toru)

蓑田透 (Minoda Toru)

ライタープロフィール

早稲田大学理工学部卒業後、総合商社入社。その後子会社、外資系企業等IT業界で開発、営業、コンサルティング業務に従事。格差社会による低所得層の増加や高齢化社会における社会保障の必要性、および国際化による海外在住者向け生活サポートの必要性を強く予感し現職を開業。米国をはじめとする海外在住の日本人の年金記録調査、相談、各種手続きの代行サービスを多数手がける。またファイナンシャルプランナー、米国税理士、宅建士、相続診断士、日本帰国コンサルタントとして老後の日本帰国に向けた支援事業(在留資格、帰化申請、介護付き老人ホーム探し、ライフプラン作成、不動産管理、就労・起業、税務等の相談・代行)や、海外在住者の日本国内における各種代行、支援サービス(各種証明書の取得、介護・葬儀・相続など日本在住の老親のサポート)を行う。

●豊富な実績に基づくていねいなサポートで
ひっきりなしに持ち込まれるお客様からの国際手続きに関する多種多様なご依頼、ご相談(お悩み)を断り切れず休日返上で対応しているうちに、気がつけば(年金、日本帰国といった当初の事業以外の)あらゆる分野のノウハウを備えたオールラウンドコンサルタントに。当社で対応できないケースでも、的確な解決方法や提携先の他分野専門家を紹介します。

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