樋口ちづこ 極苦楽ライフ

カリフォルニア在住のエッセイストが、日々のできごとや考えたことを通して、アメリカ生活のつらさ、楽しさ、人の温かさと哀しさ、そして笑いをつづります。

カテゴリー:極苦楽ライフ

  • 第74回 世界は変わる

    新型コロナウィルス(COVID-19)の世界的大流行が起こってから、約2カ月が過ぎようとしている。世界のほぼすべての都市がロックダウンとなり、我々は家に閉じこもり、町はゴー...
  • 第73回 明日の家

    最近、自己反省する機会があった。 家の売買を仕事としているので、ありとあらゆる家を見てきている。ここに住めるのだろうかと思うような質素なところから、こんなところに同じ...
  • 第72回 宿題

    毎年元旦には決まって行くところがある。日本人妻だけの「おせちパーティ」だ。もう20年以上も続いている。米国人夫を家に残し、5〜6人の日本人妻たちだけが、おせち料理を食べなが...
  • 第71回 飾り窓

    年末のホリデーシーズンが近づくと、なんとなく寂しくて、人恋しくなる。花も散り、枯れ葉が舞い落ちた裸の木々が寒々しい。その日が曇天であれば、体も心も冷えびえする。そんな時、明...
  • 第70回 ドライバーズライセンス

    ドライバーズライセンス更新の知らせが来た。きゃあ、恐れていたものがついに来た。3カ月後に現在のライセンスが切れることは自覚していたが、嫌なことは考えないようにしていた。私の...
  • 第69回 なんでもない道

    私には何人かの恩人がいる。なかでも親友の正子さんのことは、しばしば想い出す。私より7歳年上だった。25年前の私は子育て真っ最中で、経済的にも苦しかった。自分の行く手が見えな...
  • 第68回 好きなこと

    美しいものは、私たちを慰めてくれる。揺れる気持ちを静めたい時は、私は好きな1曲を聴く。バイオリニストのサラチャンが演奏する、ショパンのノクターンを聴く。すっと気持ちが収まり...
  • 第67回 誤算

    大変な誤算があった。いつか、いつか、きっと幸せになれる時が来る、と呪文のように唱えながら、米国生活に挑戦し、肉体的、精神的苦痛に耐えてきたつもりだった。そして40年が過ぎた...
  • 第66回 カーネギーホールで第九を歌う

    あれがカーネギーホールだ。実物は写真で見るよりはるかに重厚で美しい。威厳に満ちた風格を漂わせ、どっしりと建っている。1960年代、マンハッタンに開発の波が押し寄せ、由緒ある...
  • 第65回 ハンバーガー

    戦いに出る前に食べるものがあるなら、私には間違いなく肉だ。腹持ちが良く、なんといっても力が出る。しばらく空腹にならないのが良い。 普段はどちらかというと、魚や野菜中心...
  • 第64回 一緒にする

    毎年夏、待ち焦がれている合唱祭「Pacific Choir Festival」が8月12日に終わった。私の夏はこれ無しでは完結しない。終わった後は寂しい。3日間の緊張した練...
  • 第63回 犬の十戒

     家の売買を仕事にしている。 買う時は楽しい。貯金ができたから、結婚したから、こどもが生まれるから、引退するから。どのような理由であれ、新生活への期待に笑顔が...
  • 第62回 いい女、いい男

     子供を持った人なら分かると思うが、彼らがティーンエージャーの頃のみずみずしさといったらない。伸びてゆく若葉のような勢いと精気を身にまとっている。私には娘があり、彼...
  • 第61回 弱みを無くす

    語弊があるかもしれないが、ざっくばらんに言って、動物の世界が弱肉強食であるように、人間世界もそうである。人生はいろいろな意味で、不公平である。しかしそれをはっきり言ってしま...
  • 第60回 住めば都

     日本でさえも、沖縄から北海道まででは、その土地土地で気候も違えば人々の生活も異なる。日本の約25倍の広さのアメリカは、気候も人種差もそれだけ大きい。土地が変われば...
  • 第59回 表と裏

     フェイスブックが出始めの頃は、皆が競って自分のアカウントを作り、いろいろなイベントを投稿したものだ。投稿に「いいね」をクリックしてね、と言われたことも何度かある。いいねの...
  • 第58回 待っているものがある

     テクノロジーの発展で、人々の働き方も生活の仕方も激変している。買い物は自宅のPCからアマゾンなどにアクセスして求める品を注文し、数日後にはそれが玄関先に届く。日々のグロー...
  • 第57回 刺さった棘

    根を詰めた仕事が長く続いた後は、疲労が蓄積する。身体的な疲労と、心的な疲労と。もう体と気持ちの許容量が一杯になり、我慢できない。そんな時は旅に出たくなる。旅は、自分の日常を...
  • 第56回 新しい日

    アメリカに住む日本人である我々には、二つの祖国がある。人としての矜持と繊細な情感を含んだ日本語を教えてくれた母国、日本。人間は皆平等で、社会人としての責任を果たし、社会のル...
  • 第55回 長い、長い一年

    毎日、夢中で目一杯動いているうちに、カレンダーは年末の月に入っている。年初めにした仕事や体験は、まるで遠い過去の出来事のように、霞んだ風景として記憶の底に沈んでいる。長い一...

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