小企業に最大のしわ寄せ〜中国製品への追加関税で

トランプ政権が中国からの輸入品に25%の追加関税を課したことで、国内の小企業に深刻な衝撃が降りかかっている。

■どこでアクセル緩める?

ウォールストリート・ジャーナルによると、大企業は法人税率の引き下げや堅調な需要で予想以上の利益が出ているため、追加関税はあまり気にしていない。

しかし新興企業や小企業は、大手のように材料費高騰への対応力や上昇分を顧客に転嫁する力がなく、利益は侵食され、厳しい状況を耐え抜くだけの蓄えも乏しいため、戦略、取引業者、生産地、価格などの見直しを強いられている。

同紙がビステージ・ワールドワイドに委託して750社以上の小企業に行っている業績見通し調査では、「楽観している」という回答の割合が2018年7月は16年の大統領選以降で最低水準に落ち込んだ。

ノースカロライナ州の新興企業M2SBikesの創業者エリック・クルーズ氏は追加関税について「アクセル緩めないといけないんじゃないかという気がする」と話す。自社が設計し、中国で生産した電動自転車を輸入・販売する同社は従業員が5人。

国内では同様のモーターが手に入らないといい、現在の小売価格は最高3250ドルだが追加関税によってコスト が425ドル上がるため、100社の強力なディーラー網を構築する計画は棚上げし、とりあえず販売店に受け入れられて少しでも利益が出る卸価格の設定を試みている。

■人員削減などで対応

シリコンバレーで3年前に創業したBrilliant Home Technologyは、中国製の電子機器に10%の関税がかかる懸念から、9月に発売する予定のWi-Fi接続型スマート照明スイッチの価格を249ドルから299ドルに引き上げた。最近は関税が25%に上がる可能性が出てきたが、これ以上値上げはできず、生産を中国以外に移すことも現実的ではないため、予定より早く増資が必要になる可能性があるという。

店舗用のカスタム調度品製造や金属の精密加工を行うオハイオ州のTusco Displayは、鉄鋼やアルミ原料の高騰を受け、3月までに20人の契約社員を解雇。6月は10人の社員をレイオフし、金属製品を洗浄、乾燥、塗装する新システムに100万ドルを投じる計画を延期した。

399ドルのシャワーヘッドを製造する創業4年のNebia(サンフランシスコ)は、アルミの輸入制限を理由に、生産拠点をミネソタ州からメキシコに移すことや、コストの40%を占めるアルミ部品の使用をやめることも検討している。

小企業にとっては、追加関税の懸念だけで打撃を受けることもある。社員6人の再生可能エネルギー企業5th Avenue Energy(サンディエゴ)によると、大手の設備業者が価格上昇に備えて在庫を積み上げているため、照明設備などの中国製品が値上がりして入手困難になっており「うちは小さすぎて在庫を増やせず、リスクは高まるばかりだ」という。

■一部には恩恵も

一方で、関税の影響をあまり受けていない企業もある。プロモーション商品の半分以上を中国から輸入しているAmity Graphics(ミネソタ州)は「コストは上がるが国内の同業も状況は同じだからあまり心配していない。値段が上がって困る人は安い商品を選べるし、これでうちが業界1位に浮上するかもしれない」と話す。

米アルミメーカーも輸入制限の恩恵にあずかっており、コロラド州のMerritt Aluminum Productsは、需要が高まって納品遅れや供給チェーンの問題への対応に追われている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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