五感で楽しむ アメリカのベストシティ
- 2025年6月2日
- 2025年6月号掲載
味わい、見て、聴いて、触れて、香る——広大なアメリカには、その土地その土地に他では体験できない魅力がある。本特集では、心と体が刺激される全米の“体験都市”を厳選してご紹介!

ジャズとグルメの町
ニューオーリンズ
ルイジアナ州

アメリカ南部・ルイジアナ州に位置するニューオーリンズは、音楽、料理、歴史、建築など、あらゆる面で独自の文化を築いてきた。もともとは18世紀にフランス領の植民都市として築かれたこの町は、その後スペイン領を経てアメリカに編入。フランス、スペインに加えてアフリカやカリブ、アメリカ南部などさまざまな文化が混ざり合い、唯一無二の文化が形成された。
なかでも世界的に知られているのは、ジャズ発祥地としての魅力。20世紀初頭、アフリカ系アメリカ人コミュニティの中からラグタイムやブルース、ブラスバンド音楽が融合した新しい音楽が生まれた。それが初期ジャズであり、現在でも町のいたるところで生演奏が鳴り響く。音楽だけでなく、クレオール料理やケイジャン料理の多国籍な味覚、マルディグラのカーニバル文化、そして湿地帯に広がる豊かな自然など、ニューオーリンズには五感すべてで楽しめる体験が詰まっている。
五感で巡る体験 TOP5

Preservation Hall
フレンチクォーターの路地裏に佇む「Preservation Hall」は、ニューオーリンズ・ジャズの原点を今に伝える聖地。1961年の開館以来、地元ミュージシャンによる生演奏を間近で体感できる数少ないクラブとして知られている。小さな空間にはステージと客席の境がなく、演奏者の汗や呼吸が感じられるほどの近さでライブが繰り広げられる。事前予約制で、1回の公演は45分ほど。アルコールの提供はなく、純粋に音楽を味わうための空間として人気を博している。

Commander’s Palace
南部の伝統料理・クレオール料理を堪能するなら「Commander’s Palace」がおすすめ。人気メニューのタートルスープは深いコクと芳醇な香りが魅力で、ニューオーリンズに来たら絶対に外せない名物として知られている。伝統を重んじつつも革新を取り入れたモダン・クレオールをご堪能あれ。

Whitney Plantation
ニューオーリンズの中心街から車で1時間ほど離れたルイジアナ川沿いに位置するWhitney Plantationは、奴隷たちの歴史を伝えるプランテーション。かつてサトウキビ農園として運営されていた広大な敷地には、元奴隷の証言を刻んだ記念碑や像、奴隷小屋、チャペル、居住棟が残されており、当時の生活を今に伝えている。

French Market
全長約6ブロックにわたる屋外マーケット。地元の野菜やフルーツ、お菓子などが並ぶファーマーズマーケットエリアと、アート、クラフト雑貨、アクセサリーなどが揃うエリアがある。とくにおすすめなのは、ケイジャン・スパイスや燻製ソルト、シーフード用のブレンドなどルイジアナらしい調合が並ぶスパイス専門店「The Spice & Tea Exchange」。

Swamp & Airboat Tours
都市の喧騒を離れ、ルイジアナの湿地帯をめぐるボートツアー。ミシシッピ川下流域のバイユーやマングローブ林を駆け抜ける最中でアリゲーターやカメ、ヌートリア、サギなど多様な野生動物を間近で観察できる。自然との一体感を味わおう。
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