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サプライヤー、既存技術の流用でEV開発支援

 自動車大手が電気自動車(EV)の大量発売に向けて多額を投じる中、技術系企業はほかの市場で販売する商品をEVにも使おうとしている。
 
■規模を生かす

ロイター通信によると、世界の自動車メーカーとサプライヤーは2017年だけで 研究・開発(R&D)に1150億ドル、設備投資に2340億ドルを投じており、コンサルティング大手アリックスパートナーズは、自動車大手が23年までに2550億ドルをEV関連で投資すると見込んでいる。

投資の多くはサプライヤーに流れ、メーカーは各社にEVの航続距離を伸ばす方法、電磁干渉といった技術的問題の解決策、EVのコスト削減対策などを求めている。期待に応えるため、サプライヤーは既存技術の流用によって規模の経済の恩恵を受けようとしており、複数の顧客に類似商品を販売できるよう、自動車メーカーに初期段階で技術を導入させようとしている。

EV開発ではまだ手法が確立していないため、メーカーは独自の道を進んでいる。これはサプライヤーにとって、どんな部品や素材を使うべきかメーカーに影響を及ぼす千載一遇の好機であり、大手自動車メーカーのエンジニアリング部門に技術者を送り込み、自社の既存商品や素材、新開発商品を売り込むサプライヤーもいる。
 
■スパコン冷却材をEV向けに

工業・事務製品大手スリーエム(3M)は、スーパーコンピューターの冷却材として販売してきた不燃・絶縁性の液体Novec(ノベック)を、バッテリー冷却材として自動車メーカーに販売するための試験を行っている。バッテリーの温度を低く保つことは、EVを普及させる上で大きな障害の1つとなっている航続距離の問題解決につながるからだ。
 
 自動車メーカーが野心的な投資計画を打ち出す中、3Mは自動車電化部門を新設して関連技術に多額を投資。すでにゼネラル・モーターズ(GM)のEV「シボレー・ボルト」に熱管理技術を提供しているほか、台湾の新興EV企業クロッシング・モビリティ(Xing Mobility)も「MISS R(ミスR)」のバッテリー冷却にノベックを使っており、他のメーカーもこの技術の導入を進めているという。
 
 3Mはまた、携帯電話市場向けだった技術をEVにも流用する予定だ。その中には電力消費量を抑えつつインフォテインメント・スクリーンやコンソールをより明るくするためのフィルター技術や、EVが高圧電線のそばでも機能障害を起こさずに走るための電磁干渉抑制技術がある。
 
■軽量化やタイヤの効率改善でも
 
 ボルグワーナーやアプティブといった自動車部品大手、アルミ大手ノルスク・ハイドロ、合成ゴムのトリンセオ(Trinseo)なども、EVの航続距離を伸ばすための商品開発に取り組んでいる。すでにテスラに製品を供給するノルスクは、押出成形した車体部品と精密チューブという2つの既存事業を組み合わせて、バッテリーパックの新しい冷却法を開発中で、自動車メーカーにより多くのアルミ部品を売り込もうとしている。

トリンセオは、予想されるEVの生産拡大に合わせて合成ゴムの生産能力を33%拡大するため、ドイツ工場に投資している。合成ゴム製のタイヤは従来のタイヤより効率を12%向上できるといい、同社の幹部は「EV向けで求められる製品の開発サイクルは従来の業界標準よりはるかに短く速い」と話している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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