スクエア、人工知能検索コマースに進出 〜 チャットGPTとクロードのプラグインを発表

デジタル決済サービス大手のスクエアはこのほど、チャットGPTおよびクロードのプラグインを発表した。ビジネス・ワイヤーによると、スクエアはそれによって、消費者が人工知能チャットで商品を見つけようとする際の事業者側の販促力を高めようとねらう。本稿では、その実態を前編と後編に分けて解説する。

▽人工知能チャットにおいて発見されやすくする

スクエア(Square)は、クレジット・カードでの支払いをスマートフォンやタブレットで受け付けられる専用機器とサービスを展開している。同社はそのシステムをソーシャル・メディア・コマースやオンラインいちば、インターネット検索、デジタル地図といったさまざまのデジタル販路に拡大してきた。

最近ではさまざまの消費行動が人工知能チャットで決定されるようになっている。同社は、今回のプラグインの提供によって、その新しい需要に対応していく考えだ。

それらのプラグインを使う商業主には、各種の設定の手間や手数料は発生しない。資格条件を満たした事業者は同サービスに自動的に登録され、人工知能チャットでの発見可能性を通常のダッシュボード上で管理できるようになる。事業者らの情報や営業時間、メニュー、注文といったの情報はスクエアが自動的に同期化する。

▽スクエア・オンライン・オーダリングを使う飲食店が対象

その新機能が最初に提供されるのは、米国内の飲食店のうちスクエア・オンライン・オーダリング(Square Online Ordering)のプロファイルをすでに有効化している商業主だ。

同サービスでは、潜在的購入者がレストランとそのメニューを閲覧したうえで、オーダー・バイ・キャッシュ(Order by Cash)というアプリケーションで注文できる。注文が入ると、商業主のスクエア・オンライン・オーダリングで設定済みのPOS(Point of Sale)システムや厨房内の表示システムに表示される。

スクエアはそれらの注文に対してが追加の仲介手数料を課金しない。商業主らは、どの経路で注文が入ったかを同社のサービス利用報告上で閲覧でき、新しい販路が売り上げ拡大につながっているかどうかを簡単に確認できる。

▽アレクサ+とも統合、音声コマースに進出へ

スクエアでは、チャットGPT(ChatGPT)およびクロード(Claude)以外の生成人工知能技術との統合も進めている。現在進行中の開発は、アマゾンのアレクサ+(Alexa+)との統合だ。スクエアはそれによって、潜在的購入者が声で話しかけて商品を探そうとする際の音声コマースにも進出することになる。

スクエアのサービスを利用している商業主らは、そういった新たな販路が追加されるにつれてさまざまの販路での可視性を高められる、とスクエアは説明している。(後編に続く)

▽NYCの喫茶店と協業

スクエアは、会話型人工知能検索での発見可能性を高めたいと考える商業主たちの体験を向上させるために、ニューヨーク市ブルックリン区にあるスペシャルティー・コーヒー販売店「パートナース・コーヒー(Partners Coffee)」と開発段階から協力した。

「私たちは、コーヒーを買うという行動を商取引行動とは考えていない」「小休止の機会やくつろぎの時間、人と人のつながりをつくる刺激をもたらす行動だと考えている」とパートナース・コーヒーのデジタル担当副社長アンドリュー・コスタリス氏は話している。

「日々の多忙さから逃れるための場所として当店を訪れてほしい。その際に技術ソリューションが顧客体験を邪魔するようなことは望んでいない」と同氏は強調する。

「スクエアは、われわれがいままでどおりのアナログ体験の瞬間を提供し続けるだけでなく、その機会を増やせるようなツールを構築してくれた」「人工知能ツールが舞台裏で機能する結果として、当店がデジタル空間で発見されていると確信できる」と同氏は述べた。

▽近未来の消費行動に対応

ニールセンIQ(NielsenIQ)の調査によると、商品の発見や比較、選択といった買い物行動で人工知能ツールを使う消費者の割り合いはいまや42%に達する。

また、モルガン・スタンリー(Morgan Stanley)は、人工知能代理人(AI agent)の介在する購入が米国で2030年までに3850億ドル近くに達すると予想する。

スクエアのおもな利用者である中小規模の商業主らは、その新しい販路に対応して発見可能性を高めるための技術力や予算を持たない場合が多い。そのため、同社が人工知能ツールを統合することでそのニーズを満たせる、とモルガン・スタンリーは説明している。

▽業界団体ら、人工知能コマースの環境整備を本格化

さまざまの人工知能代理人や人工知能コマースのプラットフォームが今後どのように相互運用性を実現していくかは、小売業界にとって重要な課題として浮上している。公開型標準の確立が模索されるなか、スクエアもその種のプロトコール開発の作業に参加している。

同社が参加している標準化団体の取り組みには、代理人型人工知能財団(Agentic AI Foundation=AAIF)の代理人型商取引作業部会やワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(World Wide Web Consortium=W3C)のウェブ決済作業部会、ユニヴァーサル商取引プロトコール(Universal Commerce Protocol=UCP)がある。

UCPでは、グーグルと協力して、飲食店および出前を対象としたUCPの仕様を共同開発中だ。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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