ロールスロイス、バルチラ買収を断念
- 2014年1月10日
- 世界のニュース
航空エンジン世界2位の英ロールスロイスは9日、フィンランドの船舶エンジン大手バルチラ(Waertsilae Oyj)に対する買収交渉を打ち切ったと発表した。
ブルームバーグ・ニュースによると、バルチラはタンカー、クルーズ船、軍艦用エンジンの世界最大手で、2012年売上高は18億ドル。ロールスロイスは航空関連以外の売り上げ増を目指してバルチラに買収を持ちかけ、船舶事業を大幅に強化しようと試みた。
しかし、バルチラとその主要株主であるスウェーデンのワレンバーグ一族は、船舶エンジン事業の将来性を高く見込んでおり、売却に消極的だった。
バルチラは「ロールスロイスが買収の原案を提示してきたことは事実。当社取締役会は会社がこうした申し出を受けた時、それを検討するよう義務づけられている」と説明した。
ロールスロイスの船舶部門は、世界の船舶3万隻以上にエンジンを供給し、海洋プラント、海運、海軍、漁業、潜水艦業界など4000件の顧客にサービスを提供しており、12年売上高37億ドルのうち43%をサービス分野が占めた。一方のバルチラは、売り上げの32%が動力装置、40%がサービスで、船舶部門の従業員は2139人。
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