中小企業、人材管理技術導入を積極化 〜 安価なクラウド版の普及で利用加速
- 2015年3月18日
- ハイテク情報
人材資源管理(HR)技術は、2015年のIT市場でもっとも成長する分野の一つだと期待される。その背景には、ソフトウェア技術の進化によって価格が下がり、中小企業でも気軽に導入できるようになったとことがある。
ワークフォース誌によると、販促(マーケティング)サービス会社のスター・コンスピラシー・インテリジェンス・ユニット(The Starr Conspiracy Intelligence Unit)は、従業員数1000人以上の企業のうち、2015年中にHRソフトウェア投資を増やす企業の割合が53%に達する一方、従業員数100人未満の会社ではその割合が60%に達するという調査結果を報告した。
また、国際人材調達サービス大手シエロ(Cielo)の技術ソリューション担当責任者アダム・ゴードン氏によると、2014年に110億ドル規模だったHRソフトウェア市場は、クラウド・ソフトウェアの進化と普及によって、2019年に170億ドル規模に達する見通しだ。
デロイトの人材担当部長アンソニー・アバティエロ氏は、HRソフトウェアの動向について、手ごろ料金のサース(SaaS=Software-as-a-Service)を使う中小企業が増えると予想する。
同氏によると、従業員数1万人未満の会社は、伝統的なHRソフトウェア大手の製品を購入せずにサクセスファクターズ(SuccessFactors)やタリオ(Taleo)といった新興のクラウドHR企業のサース導入を積極化させる可能性が高い。大手のソフトウェアを実装するよりも迅速かつ安価に利用できるという大きな利点があるためだ。
かたや、従業員数100人未満の会社では、独立系ベンダーが提供する単一機能型クラウド電算ツールが好まれる、と同氏は指摘する。予算が限られている小規模企業は、必要最低限のツールだけを使うことでHR業務効率化を図ろうとするためだ。
テネシー州ナッシュビルを拠点とする技術系販促サービス会社のテクノロジー・アドバイス(Technology Advice)は、各種のHRツールを必要に応じて一つずつ導入している。従業員数50人の同社にとって、大企業向けの包括的システムよりも、特定機能だけのクラウド・サービスを独立系ベンダーから必要に応じて使うほうが採用しやすい。
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