アジア各国の当局、アンスローピックのミソスがもたらす金融機関リスクを注視 〜 モデルの優秀さが悪用時の被害深刻化を招くおそれ

オーストラリアやシンガポールを含むアジア各国の金融当局は4月20日、アンスローピック(Anthropic)が開発した人工知能高度モデル「ミソス(Mythos)」が銀行システムにあたえる潜在的リスクについて監視を強化していることを明らかにした。米国や欧州では、同モデルが金融システムの安定性を揺るがす可能性があるという懸念が広がっている。

ロイターによると、高度のコーディング能力を持つミソスは、サイバーセキュリティー上の脆弱性を特定する能力において従来にない高水準に達するすぐれたモデルと言われる。しかし、その能力が悪用された場合、金融業界の基幹設備に重大な悪影響をおよぼす可能性がある、と各国の規制当局は精査を進めている。

オーストラリア証券投資委員会(ASIC)は、ほかの規制当局と連携しながらミソスの利用状況を注視し、国内市場への影響を評価している、と説明した。ASICは金融サービス会社らに対し、顧客保護のために先手を打った対応を求めている。銀行監督当局であるオーストラリア健全性規制庁(APRA)も、金融システムの安全性と回復力を維持する観点から、技術進展の影響評価を継続すると発表した。

韓国では、金融監督院(FSS)が先週、金融機関の情報セキュリティー責任者らと会合を開き、ミソス関連リスクを検討した。聯合ニュースによると、金融委員会(FSC)も銀行や保険会社の最高情報セキュリティー責任者らと緊急会合を開催したと発表した。

シンガポール金融管理局(MAS)は、金融機関のITシステムのソフトウェア脆弱性の発見や悪用が人工知能によって加速する可能性を指摘した。MASは金融機関に対し、サイバー衛生(cyber hygiene)の徹底を求めた。サイバー衛生とは、ITシステムやネットワークを安全に保つために日常的かつ継続的に実施する基本的なセキュリティー対策の総称およびその概念を意味する業界用語だ。今回の文脈では、防御体制の強化や脆弱性の迅速な特定、セキュリティー・パッチの適時適用といった即応力がそれにあたる。

MASは、金融業界を含む重要社会基盤会社らの支援に向け、シンガポール・サイバーセキュリティー庁と連携していると述べた。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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