家庭用3Dプリンターが身近な節約の手段に 〜 無料デザインのダウンロードで消費財を自作

オンラインからデザイン情報をダウンロードして自宅の三次元(3D)プリンターでさまざまなものをつくるという手法が、消費者の日常的な支出を削減する手段になるかもしれない。

カナダのオンタリオ州にあるウェスタン大学で材料工学を教えるジョシュア・ピアース教授は、フォーブス誌に寄稿した記事のなかで、三次元プリンターが消費財市場におよぼす潜在的影響に関する研究結果を報告した。

それによると、年間200万台以上の家庭用3Dプリンターが販売され、無料でダウンロードできるオープン・ソースのデザイン情報もインターネット上で多数提供されている。それら二つの組み合わせが消費財市場におよぼす影響は非常に大きい可能性がある。ただ、それが具体的にどの程度かはよく理解されていない。

ピアース教授がほかの研究者と共同で執筆し、『社会的影響および循環経済の欧州ジャーナル(European Journal of Social Impact and Circular Economy)』誌に2022年に発表した白書では、その経済的な影響力を数値化することを試みた研究結果が説明されている。

同氏らは、三次元印刷用の無料デザインを集めて公開しているウェブサイト「ユーマジン(YouMagine)」でもっとも人気のあるデザイン100種を例にして、それらのデザインを使ってつくれる製品と同等の製品がアマゾンでいくらで販売されているかを分析し、3Dプリンター利用者が自作することでいくら節約できるかを考察した。

その結果、節約金額は印刷材料によって大きく異なることがわかった。たとえば、プラスチックの枠組みのような簡単なつくりのバナナ・スライサーを3Dプリンターでつくる場合、104グラムのフィラメント(熱溶解積層法に使われる糸状の樹脂材料)が必要だ。その費用は1ドル前後で、販売されているバナナ・スライサーは6ドルだ。つまり、83%以上の節約になる。

また、スマートフォン・カメラを安定させるためのスタビライザーは、3Dプリンターのフィラメントが約500グラム必要だ。ねじやアルミ管といったほかの部品も含めると、製作費用は40ドル前後になる。一般的なスタビライザーの小売価格は224ドルであることから、80%以上の費用節約になる。

オープン・ソースのデザインがすでに存在するものであれば、自宅で印刷することでそれだけの節約を達成できる可能性があり、環境にとっても良い効果がある、とピアース教授は論じている。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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