シカゴ、データ分析で都市問題を解決 〜 ネズミの駆除や交通渋滞緩和に活用

 シカゴがは、都市問題を解決する手段としてITの活用に注力し注目されている。その背景には、シカゴがこれまで集めてきた打規模データ(big data)の存在がある。

 フォーチュン誌によると、シカゴがITを駆使して解決した都市問題はネズミの駆除だ。同市政府の技術者らは、過去12年にわたって集めた市民からの苦情をもとに、苦情が集中する地区を割り出し、ネズミの出生場所を特定した。その情報は保健所と共有され、保健所がそれをもとに駆除した。

 同市のブレンナ・バーマン最高情報責任者(CIO)によると、その手法は、それぞれの苦情に個別に対応していたこれまでのやり方に比べて、ネズミ駆除の効率が20%上がった。

 シカゴはネズミ情報収集の一環として、無料ワイファイ接続網サービスを公共の場所に約2年前に設け、オンライン経由で届く苦情データの収集と解析を強化した。

 ワイファイ接続網はそのほかにも、交通渋滞の緩和や公益サービスの監視、インフルエンザの予防摂取地図化にも役立っている。

 また、シカゴ市警は過去3年間にわたって、911(日本の110番に相当)への通報を分析し、それをもとに市内の犯罪傾向を特定し、犯罪の予想を試みている。その結果、発砲事件を発生前に突き止めたという実例もある。

 シカゴでは、全ての市政府機関が予測分析を活用できるように2016年までに整備していく方針だ。

 データ分析や通信接続網を駆使して都市機能を効率化する先進的なスマート・シティーには、アムステルダムやバルセロナ、ソウルがあり、シカゴではそれらの市と肩を並べようと狙っている。

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