フェイスブック、動画広告を開始へ 〜 テレビ広告市場の奪取を狙う

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス世界最大手のフェイスブック(Facebook)は、同サイト内での映像広告枠販売事業を今週中に開始する。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同事業は、ニュースフィード(投稿内容が随時更新されるページ)に自動的に組み込まれる映像広告枠の販売で、テレビ広告に対抗するもの。

 テレビ広告市場は年間664億ドル(イーマーケターの予想)と巨大だが、近年、消費者のインターネット利用長時間化という動向を受けて、動画配信サイトでの広告市場に企業の広告予算を奪われている。

 グーグル(Google)傘下のユーチューブ(YouTube)も、動画再生前に映像広告を流す枠の販売で業績を好調に伸ばしていることを発表したばかり。

 テレビ広告市場は現在でも、広告全体のなかで最大ではあるが、インターネット動画サービス市場の劇的拡大を受けて、今後は企業の広告予算の一部をインターネット動画広告に奪われると予想される。

 ただ、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者は、広告を増やすと利用者の嫌悪感を誘い、利用者離れを引き起こす恐れがあると懸念しており、しばらくは利用者の反応を見ながら慎重に進める方針だ。

 フェイスブックは、映像広告枠の販売料金を非公開にしていることから、料金体系は不明。

 業界専門家によると、利用者数が世界で12億人に達するフェイスブックのサイト上に15秒間の動画広告を出した場合、広告料金は1日あたり240万ドルに達するとみられる。

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