行動追跡断られても続けます〜ヤフー、情報個別化を理由に
- 2014年5月6日
- 米国ビジネス
ポータルサイト大手ヤフーは、ユーザーがブラウザ(閲覧ソフト)でオンライン行動の追跡を拒否する「Do Not Track」(DNT)の意思表示をしてもこれを無視する方針を明らかにした。
DNTを選択しても自動的にクッキーが遮断されるわけではないため、ユーザーの要求に従うかどうかはウェブ会社が自由に判断しており、これまでヤフーは要求を受け入れる最大のウェブ企業だった。
しかしウォールストリート・ジャーナルによると、ヤフーのプライバシー対策チームはこのほど、「ヤフーはユーザーに極めて個別化された体験を提供しようと努めている。業界にはまだ一般的なDNT基準はなく、消費者はDNTを設定しても一部のデータ収集を拒否したいだけかもしれない」と説明しながら、DNTよりコンテントのカスタマイズを優先させる意向を示した。
同社のメリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)は、ヤフーを個々の利用者に最適なサービスを提供する「パーソナライゼーション企業」と位置づけ、ホームページには各ユーザーの好みに合わせたニュースや広告を表示し、ヤフー・ニュースやヤフー・ファイナンスも個別化されたコンテントを強調する戦略を進めている。
広告も、ユーザーのウェブ検索記録、デモグラフィック情報、位置情報などを基に個別化されており、ユーザーにはこれを拒否する選択肢も与えられているが、そのためにはまず所有するすべての通信端末をヤフーに登録しなければならない。
プライバシー保護を擁護する電子フロンティア基金のピーター・エッカースリー氏は、「ヤフーの決定は大問題だ」と強く批判している。
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