巡礼費流用、宗教相辞任 インドネシア、庶民に怒り

 【共同】世界最多のイスラム教徒を抱えるインドネシアで、中東サウジアラビアのイスラム教聖地メッカへの巡礼者の旅費として国に預けられた資金が流用された疑いが浮上、所管の宗教相が汚職で捜査され、辞任に追い込まれるなど波紋が広がっている。

 インドネシアの大半のイスラム教徒にとって、遠隔地のメッカへの巡礼は、一生に一度あるかないかの大イベント。虎の子の資金を国に預けた庶民らは「信仰を食い物にしており、許せない」と怒りを募らせている。

 汚職がまん延するインドネシアの中でも、巡礼預金の流用が長年疑われてきた宗教省は「最も腐敗した組織の一つ」とされてきた。7月投票の大統領選でも汚職一掃が大きな争点になっている。

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