弱腰批判封じ込め 中間選挙にらみ大統領

 【共同】オバマ大統領はイラクに続くシリア領内への空爆で、11月の中間選挙を前に「弱腰外交」との批判を封じ込めたいと考えている。過激派イスラム国に強硬な対応を求める野党共和党の支持を得て、一定の政治リスクを回避したことで空爆拡大の環境を整えていた。

 イスラム国の勢力拡大と相次ぐ米国人殺害を受け、中東への介入に慎重だった米世論は空爆支持へと傾いた。大統領の無策が招いた危機という批判も世論の変化の裏側にあり、オバマ外交の支持率は急降下。中間選挙では珍しく、外交が争点の一つになる気配だ。

 こうした国内情勢を背景に、大統領はイスラム国の壊滅を目標に据え、シリアへ空爆を拡大する包括戦略を10日に表明、自らの退路を断った。「有言不実行」なら弱腰批判が再燃し、逆に重い代償を支払う事態に陥りかねなかった。

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