ヨルダンに働き掛け強化 早期解放へ難交渉

 【共同】安倍晋三首相は26日、岸田文雄外相らを官邸に呼び、邦人人質事件解決へ「引き続き緊張感を持って対応してほしい」と指示した。同時に「今すぐ(事態が)動くかもしれない一方、先行き不透明かもしれない。全く予想が付かない」と指摘した。後藤健二さん(47)と湯川遥菜さん(42)の拘束映像が公開され27日で1週間。過激派「イスラム国」とみられるグループがイラク人死刑囚の釈放要求に転じ、政府は死刑囚を収監するヨルダンへ働き掛けを強めるが、難しい交渉を迫られている。

 ヨルダンのメディアは26日、アブドラ国王が25日の地元紙との会見で、イスラム国に拘束されている同国軍パイロットの問題が最優先課題との考えを示したと報じた。ヨルダンでは犯行グループが後藤さん解放の条件とした死刑囚釈放をめぐり、自国軍パイロットとの交換交渉を優先すべきだとの声が強く、国王は慎重に対応する方針とみられる。

 犯行グループは、湯川さんが殺害されたとする画像をインターネットに掲載した24日、当初の身代金支払いから、ヨルダンで多数の犠牲者を出した自爆テロに関与したサジダ・リシャウィ死刑囚釈放に要求を変更した。

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