黒字定着は原油価格が左右 輸出は持ち直し強める

 【共同】財務省が22日に発表した3月の貿易統計で、輸出から輸入を差し引いた貿易収支が2年9カ月ぶりに黒字化した。エネルギー価格の大幅な下落が主な要因のため、貿易黒字が定着するかどうかは、原油価格の動向が左右しそうだ。

 輸出額は7カ月連続で前年同月を上回り、数量ベースでも3年ぶりの高水準となった。米国や欧州連合(EU)向けが好調で、中国への輸出も持ち直した。財務省は「世界経済全体が底を打ちつつある」と分析。農林中金総合研究所の南武志氏は「円安で価格競争力が回復しており、輸出は当面増勢が続く」と予想する。

 一方で、輸入額は3カ月連続で前年を下回った。輸入全体の1割程度を占める原油が前年同月と比べてほぼ半減しており、第一生命経済研究所の熊野英生氏は「原油価格が低位で安定すれば、貿易黒字はしばらく続く」とみている。

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