アップルとサムスン、チップとディスプレイで提携 〜 半導体メーカーに打撃

 近年のIT業界でもっとも激しい競合関係にあったアップル(Apple)とサムスン電子(Samsung Electronics)が新製品開発で再び手を結んだことは、競合企業にとって大きな脅威となる可能性がある。

 ライブミント誌によると、サムスンは今回の協力関係締結を受けて、次のアイフォーン向け主要半導体と、アップルのほかの製品向けにディスプレイを製造する。サムスンは新工場建設や設備用に140億ドルの予算を組んでおり、アップルとの新契約に対する期待の高さがうかがえる。

 サムスンにとってアップルからの受注は、スマートフォン事業の不振を半導体事業で相殺する重要なものだ。

 一方、アイフォーンの主要半導体をこれまで供給してきた台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)は、投資計画を下方修正している。

 TSMCのほかに、アップルとサムスンの提携から悪影響を受けると思われるもう一社はサンディスク(SanDisk)だ。アイフォーンやアイパッド、マック向けにメモリーを供給するサンディスクは、業界専門家の予想を下回る業績予想を4月に発表。その理由として、製品価格の値下がりと製品開発の遅れ、顧客喪失を挙げた。

 業界専門家によると、アップルは新型マック向けフラッシュ・ドライブの発注先をサンディスクからサムスンに乗り換えたもよう。それがサンディスクの業績予想に影響したことは間違いない。

 ブルームバーグによると、アップルはサンディスクにとって最大の顧客で、アップルからの受注が売上高の19%を占めていた。

 そのほか、マイクロン・テクノロジー(Micron Technology)とSKハイニックス(SK Hynix)、AUオプトロニクス(AU Optronics)、そしてTSMCにとってもアップルは3大顧客の一社であり、各社はそれぞれの製品分野でサムスンと直接競合関係にある。

 ガートナーによると、サムスンとアップルは世界の半導体購入の17%を占め、IDCによると、スマートフォン市場の40%を台数ベースで独占する。

 サムソンは今後、スマートフォン向け半導体の内製化を進める可能性が高く、サンディスクやクアルコム(Qualcomm)といった半導体メーカーにとっては大きな痛手となりそうだ。

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