トランプ氏差別発言で波紋 全英ゴルフにも影響か

 来年11月の大統領選に向けた共和党候補指名を争う実業家トランプ氏の度重なる差別発言が、ゴルフ界にも波紋を広げている。不動産王として世界中にゴルフコースを所有し、昨年購入した英国の名門ターンベリーもその一つ。英紙インディペンデントはこのほど、伝統の全英オープン選手権を主催するR&Aが協賛社や外国選手のボイコットを避けるため、ターンベリーでの全英開催を避ける方針だと伝えた。

 ターンベリーで開催された2009年大会は当時59歳のトム・ワトソン(米国)が最年長優勝に迫り、2位に入って話題を呼んだ。トランプ氏の問題についてR&Aは「性別、人種、国籍、宗教にかかわらず、ゴルフは平等に機会が与えられるべきだ」との声明を出すにとどめたが、同紙はイスラム教徒の米入国禁止を唱えた発言が決定打となり、最近の会議で開催コースから除外する提案が内々に出されたとしている。

 今夏の全英リコー女子オープンはターンベリーで開かれ、米女子ツアーのワン会長は「時間的な制約で会場を変更しなかったが、発言を支持したものではない」との見解を発表した。米国では既に中止となった大会もある。男女の米ツアーや米国ゴルフ協会などは共同で「トランプ氏の発言はゴルフ界の見解とは異なる」との声明を出し、有名コースを幾つも所有する不動産王への対応に苦慮している。(共同)

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