移民受け入れ最大35%増 競争力維持へシンガポール

 【共同】世界最低水準の出生率に悩むシンガポール政府は29日発表の人口白書で、海外からの移民受け入れ枠を大幅に拡充し、最大で毎年2万5000人とする方針を明らかにした。過去5年間は毎年1万8500人程度で、枠が最大で35%増える可能性がある。

 国民の間では、移民や外国人に職を奪われているとの不満が根強いが、政府は、天然資源のないシンガポールの人口が将来急減し「東南アジアの経済センター」としての競争力が失われるのを懸念。不人気な移民受け入れ拡大に踏み切った。

 白書は、出生率を短期的に急上昇させるのは困難だと指摘。「このままの(低い)出生率が続くと、移民なしではわれわれの人口は2025年に減少に転じる」と危機感を表明した。政府は、これまで受け入れた移民の国別内訳を明らかにしていないが、中国本土の出身者が多く含まれるとみられている。

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