エジプト政権づくり迷走 銃撃事件で暴力拡大も

 【共同】エジプト軍がクーデターでモルシ大統領を退陣させてから10日で1週間。8日にはモルシ氏支持派ら多数が死傷する銃撃事件が発生するなどこれまでに100人以上が死亡した。モルシ氏の出身母体であるイスラム組織、ムスリム同胞団が武装闘争を始める恐れもあり、軍などとの間で暴力拡大が懸念されている。軍が描いた挙国一致の暫定政権づくりは迷走の末、ようやく動きだした。

 「あなたはエジプトの安全を脅かしてきた証拠がある」。地元紙によると、シシ国防相は2日、こう言ってモルシ氏に退陣を迫った。シシ氏が48時間の最後通告を突きつけた後、同胞団はいったん退陣受け入れの姿勢を示して2日間の猶予を求めたが、シシ氏は拒否し3日夜、権限剥奪を発表した。

 シシ氏は発表の場で、暫定政府の早期樹立や憲法の見直しなどを目指すロードマップ(行程表)を説明した。世俗派のほか、イスラム教スンニ派、同胞団より先鋭的なイスラム厳格派の有力政党「光の党」、キリスト教の代表を壇上に上げ、国民各層がそろって新しい国造りを目指す姿勢を演出した。

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