燃料電池車の研究をトヨタ車で〜エネルギー省、4台を2年リース
- 2013年7月25日
- 自動車関連
エネルギー省の国立再生可能エネルギー研究所(NREL)は、2年契約でトヨタから燃料電池複合型車「FCHV-adv」を4台リースし、水素燃料のインフラ、再生可能水素の生産、車の性能などに関する研究を行う。
リニューアブル・エナジー・ワールドによると、今回のリースは、トヨタとNRELが結んでいる共同研究開発協定(CRADA)の一部。リースする「ハイランダー」FCHV-advは、世界のメーカーが実用化を目指す燃料電池電気自動車(FCEV)の代表的デザインであるため、NRELの研究の実験台として適しており、これによってエネルギー省の水素や燃料電池技術に関する研究能力が高まるとみられている。
ハイランダーFCHV-advは、中型SUVの車台をベースに造られており、1回の水素補給で走れる距離が325マイル、燃費は60GGE(ガソリン・ガロン換算)。車には、軽量の高圧水素タンクが付いた燃料電池システム、電気モーター、ニッケル水素電池のほか、電池と燃料電池のどちらを動力源にするか判断するパワーコントロール・ユニットが搭載されており、NRELはこのモデルでさまざまなテストや分析を実施する予定。
NRELはリース期間中、水素の生産から補給も含めた燃料電池車の実用を支えるシステム全体を精査する。また、液体水素を押し出す圧力が異なる燃料補給器や補給所に対する車の反応なども調べる。現在はほとんどの水素が天然ガスから生産されているが、NRELでは風力やソーラー発電で生産された再生可能な水素を使う予定で、研究担当者は「燃料電池車は排ガスを出さないが、ほとんどの場合水素の生産過程で排ガスを出している。代替エネルギー発電を使って水素を生産すれば、本当の意味でゼロ排ガスの燃料になる可能性がある」と説明する。さらに、環境やドライバーの運転パターンが、車のエネルギー保存機能や動力系に与える影響も調査する。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる