すばる、世界最大の視野 初画像にアンドロメダ

 【共同】世界最高級の性能を誇るハワイ島のすばる望遠鏡で、目に相当する巨大なカメラを交換し、大幅な性能アップを達成したと国立天文台が31日、発表した。すばる望遠鏡の特長だった広い視野をさらに7倍近く広げ、一度に観測できる範囲はこのクラスの望遠鏡で世界最大となった。

 望遠鏡の中心的な装置となるカメラの交換は、1999年の観測開始から初めて。新カメラを使って過去に例のない規模の宇宙の探査に乗り出し、宇宙最大の謎である暗黒物質や暗黒エネルギーの解明に挑戦する。

 天文台は新カメラの初画像として、ハワイから最も大きく見える銀河のアンドロメダ銀河の姿を公開した。これまで部分的に撮影して合成していたが、ほぼ全体を一度に捉えた。極めて鮮明な画像で、一つ一つの星を判別できるという。

■すばる望遠鏡

 国立天文台が約400億円をかけ、ハワイ島にある標高4200メートルのマウナケア山頂付近に建設した望遠鏡。1991年に建設を始め、99年に初観測「ファーストライト」を迎えた。光を集める鏡の大きさは直径8.2メートルで世界最大級。さまざまな観測装置を取り付けて多彩な研究が可能で、メインのカメラが最上部に位置する。宇宙で最も初期に生まれた銀河の探索で世界をリードするほか、暗黒物質の分布を推測する観測でも実績がある。

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