対クライスラー提携で恩恵〜フィアット系部品企業

 フィアットとクライスラーによる提携で、業績が低迷してきたイタリアの系列サプライヤーが米国での販路拡大に乗り出している。

 ロイター通信によると、2009年にクライスラーの過半数株式を取得したフィアットは翌年、高級車の内装を手掛けるポルトローナ・フラウのダリオ・リネロ最高経営責任者(CEO)に対し、米国で発売されるクライスラーの新型セダン「300」向けに座席を供給する契約を打診した。フラウは当時、マセラッティやフェラーリ向けに手作りの皮革ソファーを製造していたが、米大衆市場に進出するチャンスの到来に心を躍らせた。

 フィアットが短期間での納入を望んでいたため、リネロ氏は高級皮革を扱える米企業を探し出して提携を結び、専門家をイタリアから派遣した。こうした経験が、同社による米アコード・ホールディングスの買収につながった。

 市場が低迷するイタリアの自動車業界は過去10年間で、生産台数が年間112万台から40万台まで落ち込み、フィアット向けが総売上高の46.4%(234億ドル)を占めるサプライヤー872社は危機感を募らせてきた。

 1993年からフィアット車の防音を手掛けてきたアドラー・グループは09年、ドイツの競合であるHPペルツァーの米事業を3000万ドルで買収。今後はクライスラー車の内装を手掛ける計画だ。

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