テキサス南部の地震、フラッキングが原因?
- 2013年8月28日
- 米国ビジネス
テキサス南部のイーグルフォード・シェール(けつ岩層)で、フラッキング(水圧破砕)技術によって大量の石油や水が排出されたことが小さな地震の頻発を招いている可能性があることが、テキサス大学研究者らの調査で分かった。
ウォールストリート・ジャーナルによると、科学誌「地球惑星科学レターズ」(電子版)に掲載された研究報告は、地中から大量の石油や水が取り除かれることで周辺の岩や砂が沈下し、地表では気付きにくい小さな地震を引き起こしている可能性を示した。
複数の環境団体や市民団体が、地震とフラッキングが関連しているのではないかと懸念を表明している。ただし今回の調査では、フラッキングだけが原因で地震が起きているという証拠は見つからなかった。
報告書作成者の1人で同大オースティン校地球物理学研究所のクリフ・フローリック副所長は、州南部の地震の原因は、20世紀にカリフォルニア州ロングビーチ一帯で起きた地震の原因に似ていると話す。長年にわたって石油と地下水を採取した結果、地域の大半で地盤が約30フィート沈下したという。
一方でフローリック氏は、イーグルフォードでの調査結果と、同じ研究グループによるバーネット・シェール(テキサス州北部)の地震調査結果が異なることも指摘した。バーネットの調査では、排水を地下に注入するフラッキングの作業が小さな地震を引き起こしている可能性が高いと結論づけられたが、今回の調査では高い可能性は示されず、同氏は「科学はそれほど単純ではない」と述べた。
フローリック氏は、比較的近い場所で行われた2つの調査結果が異なる理由の1つとして、イーグルフォードの方が石油・ガスの採取期間がはるかに長い点を指摘した。同地域では1970年から、定期的に小さな地震が発生するようになった。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
米国内都市圏の住宅所有者らは自然災害に要注意〜異常気象による損害危険の高い地域が明確に
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ドライバーの過半数が「AVは怖い」~AAA調査
-
2024年5月13日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EVへの関心、ますます低下~消費者、メーカーの思惑に反し
-
インフルエンサーとブランドをつなぐプラットフォームで台頭 〜 ショップマイ、1850万ドルを調達
-
シンケイ・システムス、魚の活け締め技法を機械化 〜 完成に接近、鮮魚流通網に革新をもたらす可能性
-
ドキュサイン、インテリジェント契約管理サービスを発表 〜 電子署名ソリューション以外に事業を拡大
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に