10代も安い衣料ブランドに興味〜アバクロなど「3A」から移行

 これまで米国の10代ファッションの中心だったアバクロンビー&フィッチ(アバクロ)、エアロポステール、アメリカン・イーグル・アウトフィッターズの通称「3A」の人気に、陰りが見えている。

 ロイター通信によると、最近のティーン消費者は、アバクロなどロゴ中心の衣料よりも電子機器に興味があり、衣料はザラ、フォーエバー21、H&Mといった安くて品ぞろえが豊富なファストファッションを選ぶようになっている。

 アメリカン・イーグルは21日、秋の業績予想が市場予想を下回ったことで株価が下がり、過去1年半で最低水準まで落ち込んだ。エアロポステールも先に、5〜7月期の既存店売上高が15%減少したと発表した。アバクロが22日に発表した5〜7月期の既存店売上高も10%減となった。

 3Aの弱点の1つは、あらゆる年代に浸透しているH&Mやギャップなどに比べて顧客層が限定されている点にある。アメリカン・イーグルの場合、売り上げの約80%を通常商品が占めているが、5〜7月期の利益率は33.8%まで低下し、平均といわれる40%を下回った。

 ブリーン・キャピタルのアナリストで、エアロポステール株の売りを推奨するエリック・ビーダー氏によると、若年層は流行を意識しながらも大量の出費は避けているため、ファストファッションが大成功している。

 政府統計でも、若者の間では衣料よりも電子機器にお金を使う傾向が高まっている。チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、ティーンの就職率は低下し、親の世代も給与税の上昇ややガソリン高にあえいでいる。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る