昨年衆院選「違憲状態」 1票格差で最高裁

 【共同】「1票の格差」が2.43倍だった昨年の衆院選をめぐる全国訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷は20日、小選挙区の区割りを「違憲状態」と判断した。議員定数を「0増5減」した格差是正策で一定の前進があったとして「違憲」には踏み切らず、選挙無効を求めた原告側の弁護士グループの訴えを退けた。

 1票の格差は、2009年衆院選についての前回判決と同様「憲法が求める投票価値の平等に反していた」と判断した。現行の定数配分は「1人別枠方式の構造的問題が最終的に解決されていない」として国会にさらなる取り組みを求めた。

 今回の訴訟では各地の高裁・高裁支部で違憲判決が相次ぎ、戦後例のない無効判決もあった。最高裁が2回続けて違憲状態と判断するのは初めてだが、違憲判決を回避したことで、選挙制度改革をめぐる議論が停滞する可能性がある。

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