日朝協議、進展見えず 思惑外れ交渉岐路 ゼロ回答で「窮余の策」
- 2014年9月29日
- 世界のニュース
【共同】日本は北朝鮮との29日の政府間協議で、拉致被害者の調査の現状をただした。初回報告に拉致被害者情報が入るとの日本の期待に反し、8月の当局者の極秘接触で北朝鮮は「ゼロ回答」を提示。思惑が外れた日本は局面打開を狙い、公式な場で途中経過を直接問う「窮余の策」(与党筋)に出た形だ。だが進展は見えず、北朝鮮の今後の出方も読み切れない。今春以降、比較的順調に進んだ日朝交渉は岐路を迎えたといえる。
「(北朝鮮による)特別調査委員会が7月に再調査を始めてから、ほぼ3カ月が過ぎた」。日本側代表の伊原純一アジア大洋州局長は中国・瀋陽のホテルで、北朝鮮側代表の宋日昊・朝日国交正常化交渉担当大使にこう詰め寄った。
伏線がある。日本側は、北朝鮮が拉致問題で納得のいく回答をすれば、安倍晋三首相の訪朝による早期の問題解決も視野に入れていた。にもかかわらず、特別調査委の初回報告に関し8月下旬に行われたマレーシアでの当局者間の極秘接触で、北朝鮮の秘密警察組織「国家安全保衛部」の幹部は伊原氏に「(安否不明の認定被害者12人の)新しい情報はない」と冷たく言い放った。
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