デル、統合セキュリティー製品を発表 〜 サイバー攻撃深刻化で商機獲得狙う
- 2015年3月16日
- ハイテク情報
デル(Dell)は、企業各社の通信網に接続するデル製以外のラップトップやデスクトップ型端末にも対応する統合セキュリティー・スイートを発表した。
コンピュータワールドによると、デル・エンドポイント・セキュリティー・スイートと呼ばれる同製品は、同社が2012年に買収したクレデント(Credent)の暗号化技術を基盤にして開発された。
デルはこれまでも、接続暗号技術「コントロールポイント(ControlPoint)」のほか、第三者製品を自社ブランドで販売してきた。複数の法人向け接続セキュリティー製品を統合した製品は今回が初めて。基本料金は利用者一人あたり100ドルだが、人数が増えると割安になる。
デルが採用した暗号化技術は、ハードウェア自体を暗号化せずに、利用者がやりとりするデータを暗号化するもの。従来のハードウェアの暗号化は、暗証語の紛失によって使いものにならなくなったり、ソフトウェア更新の際にいったん復号化しなければならないといった問題があった。
それに対して今回の新製品は、データそのものが暗号化されているため、メモリーからタブレットまでデータをどこに移しても保護される。さらに、IT管理者はデータがどこに存在しようとも、復号化キーを制御できることも特徴。さらに、管理者は、単一コンソールを使って企業通信網上の全機器を制御できる。
同スイートの認証技術は、アクティブ・ディレクトリー(Active Directly)およびLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)をもとに各社が独自に開発している認証システムにも対応する。そのほか、単一指紋認証やスマート・カードを採用している通信網にも対応する。
同スイートに含まれるサイバー攻撃防御技術は、ウィルスやマルウェアを含むいかなる攻撃にも対応する。デルは、それらの技術のライセンスを第三者業者から取得した。同社はそのセキュリティー技術会社の名前を伏せている。
企業に対するサイバー攻撃は頻度と深刻度がともに増大している。ソニー・ピクチャーズや保険会社アンセム(Anthem)への攻撃は記憶に新しい。企業に対するサイバー攻撃は以前ならIT部署の懸念事項だったが、この1年ほどのあいだに取締役会での重要事項になっている。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ