スプランク、中小企業向けサービスを開始 〜 データ解析の需要増と競合対応

 業務用ソフトウェア提供のスプランク(Splunk)は、中小企業向けに新たな機械間(M2M)データ解析サービス「スプランク・ライト(Splunk Light)」の提供を開始した。

 企業はスプランクのウェブサイトからスプランク・ライトをダウンロードして使用する。

 スプランクはアドビ・システムズ(Adobe Systems)やヤフー(Yahoo)といった従業員5000人強の大企業向けソフトウェア販売を主力として売り上げを伸ばし、業務用ソフトウェア市場で急成長企業の一つに挙げられる。

 直近9四半期における同社の売上高は、前年同期比で平均51%増を記録しており、2014年の売上高は4億5100万ドルだった。

 インベスターズ・ビジネス・デイリーによると、スプランクにとって中小企業向けスプランク・ライトの販売は、大規模データ(big data)解析市場の拡大を睨んだ新たな戦略と言える。

 FBRキャピタル・マーケッツ(FBR Capital Markets)は、世界の小規模企業向け解析ソフトウェア市場について、向こう3年間に累積売上高が最大50億〜70億ドルに拡大すると予想する。

 スプランク・ライトの販売は、新たな需要開拓を意味すると同時に、小規模企業向け市場で力をつけている競合他社が、スプランクの縄張りである大規模企業市場に参入してくることを防ぐ狙いもある、と業界専門家は指摘する。

 スプランク・ライトの料金は、最大利用者5人向けで月月額75ドルから。大規模企業向け高機能版の年間数千ドルと比べて格安の設定だ。

 サスケハナ・ファイナンシャル・グループの業界専門家は、スプランクの大企業向け製品の平均販売価格を年間4万〜5万ドルと見積もっている。「(スプランク・ライトの価格は)年間900ドル程度。(この価格差を埋めるために)スプランクは数千社と契約しなければならない」と指摘する。

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