米、中東でかすむ存在感 シリア和平よりアジアへ

 ロシア軍事介入で新局面に入ったシリア内戦は、米国の影響力が中東全域で低下した実態を示した。南シナ海にイージス駆逐艦を派遣するなど、対中国・アジアに軸足を移す米政府。シリアではアサド大統領の退陣を要求するが「アサド後」の具体像を示しておらず、中東ではその真剣さに疑念が広がる。ロシア主導でアサド氏残留を当面容認する「現実的和平案」の観測が強まってきた。

 ロシア空軍機の爆音が響くシリア北西部ラタキアで、避難民のカラム・ゼインさん(39)は「米国の介入は言葉だけだ」と指摘した。和平実現に貢献していないと考えるからだ。過激派組織「イスラム国」解体を目指す米主導の空爆は開始から1年以上たっても大きな成果が上がらず、「穏健な反体制派」の軍事訓練は失敗。反体制派はむしろイスラム過激派との連携を強めている。

 オバマ政権は2013年、化学兵器使用を理由にアサド政権に対する武力攻撃をいったん口にしながら、実行を見送った。中東ではそれ以来、米国の本気度を疑う見方がくすぶる。オバマ氏が実現を誓ったパレスチナ和平は糸口も見えず、イラク情勢は流動化。カダフィ政権打倒を支援したリビアは分裂状態だ。(共同)

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