17年に最初のEV発売へ〜加州の謎の新興企業ファラデー
- 2015年11月19日
- 米国ビジネス
新興電気自動車(EV)メーカーのファラデー・フューチャー(Faraday Future)はこのほど、2017年に最初のモデルを発売する計画を発表した。総工費10億ドルの工場建設も検討しているという。
ロサンゼルス・タイムズによると、同社はEV大手テスラ・モーターズの元社員らがカリフォルニア州ガーデナにある旧日産販売事務所を拠点に立ち上げた新興企業で、資金源や会社の所有者などを公開しておらず、謎が多い。広報担当者は「国際的に活動する重要な出資者が1人いる。その人物は当社が独り立ちすることを望んでいる」と話した。
ファラデーは現在、従業員が約400人、自社を「テスラのライバル」と位置付けており、上層部にはテスラで「モデルS」の車両開発責任者だったニック・サンプソン氏、元テスラの上席製造幹部ダグ・レックホーン氏のほか、BMWやゼネラル・モーターズ(GM)のEV開発に関わっていたエンジニアやデザイナーがいる。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が所有する宇宙ロケット開発企業スペースXの電池技術者なども引き抜いている。
自動車アナリストのアラン・バウム氏は「高い実績を持つ人材を大勢そろえたことで、多くの運営資金が集まっている」と見ている。ただし、経営はチームで行っているためファラデーにはCEOがいない。元テスラのサンプソン氏は「この業界が長くて経験豊かな上席幹部が多く、われわれは将来に向けた明確なビジョンを持っている」と話したが、同社のEV第1号に関する詳細はほとんど明かさなかった。
分かっているのは、100%電気自動車で、いくつかの自動運転機能を持つ高級車といったことだけ。工場の候補地は、カリフォルニア、ジョージア、ルイジアナ、ネバダを含む数カ所を検討中で、現在はさまざまな州と経済的な条件を交渉しているという。
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