世界各国でテロ対策の強化が進むなか、テロ攻撃計画を治安当局が迅速に把握するための技術導入が課題となっている。また、銃や爆弾を使った犯罪に対する即応体制を強化する必要性も強まっている。
発砲または爆発を検知するプラットフォームを警察に提供するSST(カリフォルニア州ニューアーク拠点)は、ショットスポッター(ShotSpotter)と呼ばれる独自技術の改善に過去約20年にわたって取り組んでおり、現在、それを進化させたシステムの開発を進めている。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ショットスポッターは、インターネット接続型マイクロフォンを利用し、発砲または爆発現場を三角測量によって迅速に特定するというもの。現在、世界90の地方自治体で導入されている。
同社のラルフ・クラーク社長兼最高経営責任者(CEO)によると、従来の方法では警察が現場を特定するのに何分もかかるが、ショットスポッターを使えば最初の発砲から30〜45秒以内に正確な現場を特定できる。
また、同社は最近、ゼネラル・エレクトリック(GE=General Electric)と提携し、交通量から大気汚染までさまざまの状況を追跡する検出器を搭載したGE製スマート街灯の技術をショットスポッターに採用する計画を打ち出した。
それによって、ショットスポッターによる発砲検知範囲は従来の数平方マイル四方から市全体に拡大する。また、ショットスポッター専用の検知器向けソフトウェアとマイクロフォンが不要になり経費削減にもなる、クラーク氏は説明する。
ショットスポッターは音を常時観察し、機械学習アルゴリズムによって発砲音と環境雑音を区別する。発砲音を検知すると、その正確な時間と位置スタンプ・データがクラウド・サーバーに送られ、音がどこで発生したかを判断する。
北太平洋条約機構(NATO)国際治安部隊の元特別顧問で現在はハーバード大学で要職に就くデイヴィッド・ブレイ氏は、携帯電話に搭載されたマイクロフォンを使えば、ショットスポッターのようなシステムを地球規模で構築することも可能と話す。
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