フィリピンの武装集団100人上陸 マレーシアとにらみ合い

 【共同】フィリピンのイスラム系武装集団約100人が今月中旬、マレーシア・ボルネオ島サバ州の海岸沿いの村に突然上陸し、マレーシアの治安当局と一触即発のにらみ合いが続いている。治安当局は、22日までに投降するよういったん「最後通告」したが、期限後も撤退する気配はなく緊張が高まっている。

 マレーシアとフィリピンの報道によると、サバ州の村ラハダトゥに侵入した武装集団は、フィリピンとマレーシアの間で15〜19世紀ごろに栄えたイスラム教国、スルー王国の末裔でつくる「王国軍」と主張。サバ州はスルー王国の「領土」だと訴えている。非武装の約100人も同行しているとの情報もある。

 フィリピン政府によると、武装集団は、フィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)の和平に反発する勢力。政府高官は「和平をめぐり、仲介役のマレーシアと(当事者の)フィリピンとを仲たがいさせ、実現に向けた動きを滞らせるのが目的だ」とみている。

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