ベールで解雇は無効 仏最高裁

 【共同】フランスの破棄院(最高裁)は19日、パリ郊外の私立保育園で2008年にイスラム教徒のベールを勤務中に着用したことを理由に女性保育士が解雇されたことについて「信仰を理由にした差別」とし、解雇処分を無効とする決定を下した。フランス公共ラジオなどが伝えた。

 一審の労働裁判所と二審の控訴院は、公共の場所に宗教色のあるものを持ち込んではならないという原則を理由に処分は正当としていた。しかし破棄院は、民間企業などではこの原則に基づいて従業員を処分することはできないとの判断を示した。

 フランスは憲法で政教分離をうたっており、公共の施設を「非宗教」とする原則が重視されている。バルス内相は決定に対し「政教分離の原則を問題視することになり残念だ」と話した。

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