キプロス支援 遠い正常化 国民は合意歓迎せず

 【共同】財政危機に陥った地中海の島国キプロスは25日未明、期限ぎりぎりで欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)と支援条件の合意に達し、破綻を回避した。市場ではユーロ高円安が進み、東京株は大幅反発。だがキプロス国民の生活は正常化から程遠く、合意を歓迎する声はほとんど聞かれない。ユーロ圏諸国の危機対応能力にも疑問が残った。

 「キプロスが大国だったら、EUはこんなに厳しくなかったと思う。とっても不公平よ」。25日朝、首都ニコシア中心部の雑貨店で店番をしていた女性(48)は怒りをぶちまけた。

 100億ユーロ(約1兆2000億円)の支援の条件として、ユーロ圏などが当初突き付けたすべての銀行預金への課税は撤回された。しかし、代わりに決まったのは国内第2位のライキ銀行の破綻処理。預金保護を受けられない10万ユーロ超の預金が、持ち主に返ってくる見込みは薄い。

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