米国と世界は同じコインの表裏 IMF専務理事

 【共同】国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は19日、ワシントン市内で講演し「力強い米経済と力強い世界経済は同じコインの表裏の関係にある」と述べ、米国は貿易や金融システムを通じて世界経済の相互関係が深まっている状況に配慮しながら経済・金融政策を進めるべきだとの認識を示した。

 専務理事は世界経済について「やや回復の兆しがあるが成長率は振るわないままとどまっている」とし、日米欧の先進国が改善している一方で、新興国は「勢いが鈍化している」と分析。各国経済が「ますます異なった方向」を向いており、世界的な景気回復にはむらがあると指摘した。

 米経済に関しては、ことしの成長率は「望ましいほどには力強くなく」、2%をかなり下回るとしたが、来年は1%ポイント程度「著しく加速する」と予測。ことしの成長率が力強さを欠く理由として「極めて大幅な財政の調整」を挙げ、連邦歳出の強制削減が景気回復の勢いを妨げていると述べた。米国は年金制度改革や歳入拡大などで「より長期的な財政赤字圧力を緩和する」必要に迫られているものの、短期的で急激な歳出削減は雇用創出を損なうと警告。さらに、連邦財政政策に影を落としている政府と議会の対立に触れて「財政と債務上限をめぐる政治的な不透明感は何の役に立たない」と述べて、両者に協調を呼び掛けた。

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