宇宙線で核物質探知 英、テロ対策に実用化へ

 【共同】宇宙線から発生するミュー粒子を利用した核物質の探知方法を、英政府が次世代の核テロ対策技術として実用化する計画を進めていることが5日までに分かった。英内務省が共同通信の情報公開請求に対し認めた。実際に配備されれば、現在普及している放射線の探知装置では発見が難しい隠匿された核物質に対する監視能力が飛躍的に高まり、違法取引される核物質の流通阻止にも役立つと期待されている。

 ミュー粒子は、地球に降り注いでいる宇宙線が大気にぶつかってできる。普通は直進し物質を通過するが、ウランやプルトニウムなど重い放射性物質を通過すると方向を変える。開発中の技術は、通過する物質ごとに違うミュー粒子の軌跡の曲がり具合をコンピューターで解析し、貨物などの検査対象が放射性物質を含んでいるかどうかを判断、立体画像化することも目指している。

 従来型の探知装置は検査対象から漏れ出す放射線を探知する仕組みが主流だ。新技術は、核物質の放射線を遮る厚い鉛も貫通するため、容器に隠されていても探知が可能となる。

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