オラクル、エロクアを拡充 〜 セールスフォースへの対抗姿勢をさらに強化

 オラクル(Oracle)は、自社の販促自動化スイート(アプリケーション群)のエロクア(Eloqua)に新機能を追加したことで、セールスフォース(Salesforce.com)やIBMへの対抗路線をいっそう強めた。

 コンピュータワールド誌によると、オラクルが追加したアドフォーカス(AdFocus)という新機能は、マルチ・チャンネルの広告キャンペーンを展開する販促担当者向けのオンライン販促ツールで、ディスプレイ広告配信先を特定する標的広告を打てることが特徴。

 新製品はそれと同時に、「オウンド(Owned)」メディアと「アーンド(Earned)」メディアでの広告効果を比較できる点で、競合サービスとの差別化を明確にしている。

 オウンド・メディアとは、企業各社が所有および運営するウェブサイトを指し、アーンド・メディアはソーシャル・メディアを指す。

 アドフォーカスはまた、フェイスブック(Facebook)の広告配信機能「カスタムオーディエンス」とも連携する。カスタムオーディエンスとは、企業が持つ顧客リストとフェイスブックの利用者IDを参照することによって、フェイスブック上で特定利用者向けに広告を配信できる機能。

 オラクルはさらに、エロクア・プロファイラー(Eloqua Profiler)の機能も更新した。同ツールは、エロクアが電子メールやウェブ・ページを通じて抽出した見込み客の情報を作成する。

 オラクルは最近、エロクアの機能を大幅に向上させるために、オンライン販促ツール開発のコンペンディアム(Compendium) を買収している。コンペンディアムの販促用ソフトウェアは、顧客や見込み企業を自社サイトに誘い込むための多種多様のコンテントを作成し、効果的に使えるようにする

 オラクルでは今回の機能拡充にともなって、顧客が必要な機能だけを利用できる選択肢も提供する方針を打ち出している。ライセンス販売を収入モデルとするオラクルにとって、そういった料金体系を採用することは異例と言える。

 一方、オラクルとの競争激化やCEO同士が犬猿の仲で知られるセールスフォースでは、イグザクトターゲット(ExactTarget)やバディ・メディア(Buddy Media)、ラディアント6(Radiant6)を買収し、クラウド電算スイート大幅を強化している。

 セールスフォースは、オンライン販促業務の自動化に特化したドリームフォース(Dreamforce)という業界会議をサンフランシスコで11月に開催する予定。

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