FDA、遺伝子検査キットの販売停止を命令
- 2013年11月26日
- 米国ビジネス
食品医薬品局(FDA)は26日までに、遺伝子(DNA)検査キットを販売する「23アンドミー」(23andMe、カリフォルニア州)に対して製品の出荷停止を命じた。不正確な検査結果を理由に消費者が乳がん手術など不必要な治療を受ける可能性があるため。
ウォールストリート・ジャーナルによると、FDAは同社に対し、書簡で「当局にはDNA検査キット販売のための適切な審査手続きがなく、同社は安全確保のため当局に十分協力していない」と伝えた。FDAによると、同社からは今年の5月以降連絡が途絶えていたが、最近になってテレビ広告を含むキットの新しい広告キャンペーンが始まったという。
23アンドミーは、グーグルの共同創業者セルゲイ・ブリン氏の妻、アン・ウォジスキ氏が共同創業者となり、グーグルなどの出資を受けて2006年に設立された。ウォジスキ氏は最高経営責任者(CEO)を務めている。
DNA検査キットは、難病などの発症リスクを早期に発見するのが目的で、自宅で格安に検査を行えることから国内で人気が高まっている。一方で専門家の間には、検査結果が不正確だった場合の危険性や、複雑で微妙なデータが消費者を混乱させる可能性を指摘する声もあり、ジョンズ・ホプキンス大学遺伝治療センターのデイビッド・バレ所長は「理想的には医療専門家が関わるべきだ」と話している。
23アンドミーは25日に声明を出し、FDAへの協力を約束した。同社にはグーグルのほか、ジョンソン・エンド・ジョンソンも出資しているが、いずれも今回の件について説明していない。
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