温暖化で紛争の恐れ 4度上昇で被害深刻
- 2014年3月31日
- 世界のニュース
【共同】国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は31日、温暖化によって居住地を追われる人が増えたり、貧困が悪化して紛争の危険性が高まったりするなど、人間の安全保障に影響が及ぶことを初めて指摘した新報告書を横浜市で発表した。
報告書は「気温が高くなると、広範囲で不可逆的な影響が起こりやすくなる」と強調。産業革命前と比べて気温上昇が4度を超えた場合、国際目標である2度未満と比べて食料や気象などさまざまな分野で被害が深刻化することを例示し、目標達成の意義を客観的に示した。IPCCは昨年発表した別の報告書で、今のペースで温室効果ガス排出量が増えると今世紀末の平均気温が最大5.4度(20世紀末比4.8度)上がると予測している。
また、世界の地域ごとに熱波や洪水など懸念される影響を詳しく分析。暑さや乾燥に強い作物の開発など被害を軽減するための適応策の有効性も示したが、同時に限界があることも明確にした。
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