立体印刷機業界、過剰期待の反動で株価暴落 〜 価格低下と高速化が必要

 3Dプリンター(3次元造形装置)が大いに注目されているが、期待が先行しすぎて現実が追い付いていない状態にある。

 3Dプリンター市場では現在、玩具や装飾品を立体印刷(積層造形)できる1500ドルの下位機種のほか、軍用ポンプの金属部品やチタン製の膝関節、プラスチックの補聴器も製造できる高機能機種が50万ドルほどで販売されている。

 3Dプリンター市場のコンサルティング業者ウォーラーズ・アソシエイツ(コロラド州)によると、2013年における立体印刷機の世界売上高は前年比27%増の28億ドルに達した。

 しかし、ウォールストリート・ジャーナルによると、立体印刷機製造企業の株価は、2013年に2倍以上に伸びた企業もあったのに対し、2014年は最大手の3Dシステムズの株価が40%低下、ストラタシスの株価も19%低下と大幅に下落している。

 それでも、2014年の1株あたり利益予想の50〜70倍の株価が付いている企業もあるため、2000年代初頭のドット・コム・バブルを思い起こさせるという声もある。

 パシフィック・クレスト証券の技術業界専門家は、「期待が膨らみすぎて、それが株価に反映されている」「3Dプリンターは興味深いことができるが、産業革命を起こすには至ってない」と話した。

 業界専門家らの多くは、「3Dプリンターが、切断やプレス、研磨、鋳造といった従来の金属加工技術に取って代わるには、もっと速く安くならなければならない」と指摘する。

 3Dプリンターの最大の強みは、柔軟性と簡易性だ。2005年に設立されたエクスワン(ExOne、ペンシルベニア州)のプリンターは、これまで13個の部品で構成されていた海軍のポンプ用インペラー(羽根車)を単体で作ることができるようにした。

 また、フォードは自前の3Dプリンターを使ってエンジンや変速機の試作部品をつくっており、エンジンの吸気マニホルドの試作品生産のコストと時間が従来の50万ドルと4ヵ月から3000ドルと4日に縮小された。

 エクスワンは、まだ黎明期にある金属3Dプリンター市場で先行しようと、プラスチックではなく産業用金属製品の生産に特化する戦略を展開しており、キャタピラーやユナイテッド・テクノロジーズのヘリコプター部門シコルスキーといった大手顧客も抱えている。

 BB&Tキャピタル・マーケッツの専門家はエクスワンについて、「金属3Dプリンター市場で魅力的な地位を確保しているが、問題は金属が魅力的な市場になるのかという点だ」と指摘する。

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