中国でLNGタンカー建造へ〜川崎重工、韓国勢に対抗

 川崎重工業は、中国で液化天然ガス(LNG)輸送タンカーを建造する計画を進めている。中国での同種タンカー建造は日本企業としては初で、世界市場の約8割を占める韓国勢に対抗するのが狙いだ。

 ブルームバーグ・ニュースによると、川崎重工船舶海洋カンパニーの村上彰男社長は東京でのインタビューで、現在の為替レートなら中国での建造の方が韓国の造船所よりもコスト競争力があると述べた。

 村上氏は「当社の中国合弁事業NACKS(南通中遠川崎船舶工程有限公司)はこれまで多種多様な船舶を造ってきたが、手掛けていないのはLNGとLPG(液化石油ガス)の運搬船だけ。最初の契約を取って良い船を供給できれば、注文がたくさん来るだろう」と語った。

 村上氏によると、川崎重工は中国での建造コストが韓国より最大で20%安いと見積もっている。

 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発の事故以来、日本では安いエネルギーの需要が高まっており、日本の造船業界はシェール・ガス革命で活況を呈する米国のLNG輸出事業に期待をかけている。川崎を含む日本の造船4大手は、2017年のLNG輸出開始に合わせ、ルイジアナ州の対日輸出事業キャメロンLNGプロジェクト向けにタンカーを共同で建造する。村上氏によると、同事業では三井物産がLNGタンカー10隻を確保する予定。

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