川端康成の若き純愛、書簡11通 自宅で発見、作品に影響
- 2014年7月8日
- 日本発ニュース
【共同】ノーベル賞作家の川端康成(1899〜1972年)が暮らした神奈川県鎌倉市の自宅から、初恋の相手とされる伊藤初代(1906〜51年)と交わした書簡計11通が見つかったことが8日、分かった。川端康成記念会が確認した。相手への思いを綿々とつづった文面は若者の純愛を伝え、川端作品の背景を実証する貴重な資料となる。
同会の水原園博理事によると、11通のうち10通は初代から川端宛て。1通は川端が初代宛てに書いた未投函の手紙だった。初代は東京・本郷のカフェで働いていたが、岐阜県の寺の養女となった。21年、22歳の川端と15歳の初代は婚約。しかし初代は「ある非常」を理由に約束を破棄する。
川端による未投函の手紙は約700字。初代からの返事が遅れていることについて「恋しくつて恋しくつて、早く会はないと僕は何も手につかない」「本当に病気ぢやないのかと思ふと夜も眠れない」と切実な思いを記した。書いた時期は不明だが、文面から21年10月下旬以降とみられる。
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