「鉄の原野」に立つ十字架 突き刺さる金属片
- 2014年7月21日
- 世界のニュース
【共同】色とりどりの野草の花畑が突然途切れ、黒焦げの「鉄の原野」が出現した。ウクライナ東部ドネツク州グラボボ村のマレーシア航空機墜落現場では20日、原形をとどめないほど砕け散った機体の残骸が絡み合い、遺体収容作業を滞らせていた。静かな農村を襲った惨事から3日。穏やかに起伏する大地は犠牲になった乗客乗員298人の無念の思いをとどめて静かに横たわっていた。
青空の下、真夏の日差しが照りつける。金属やゴムなどが溶けた異臭が強く鼻を突く。現場には、ひときわ高い十字架のような木柱がぽつんと立つ。鋭く裂かれた無数の金属片も墓標のように地面に突き刺さっている。遺体を袋に入れて次々と運び出す作業を村民が遠巻きに眺めている。
州都ドネツクから現地まで車で約2時間半。途中、銃を構えた男たちが警備する検問所をいくつも通過した。墜落現場周辺にはテープが張られ、その先に入ることは許されない。
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