サムスンの陰りは携帯電話だけではない 〜 アップルへのチップ販売が急減

 投資家や業界専門家、報道陣は最近、サムスン(Samsung)のスマートフォン事業に陰りが見え始めていることに注視している。

 同社は世界スマートフォン市場で占有率を落としており、特に、これまで安泰だった中国市場で2014年第2四半期(4〜6月)に地元の台頭企業である小米科技(Xiaomi)に出荷台数で首位の座を奪われ、業界専門家らを驚かせたばかり。

 しかし、雲行きが怪しくなっているのはスマートフォン事業だけではない。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、サムスンは、アップル(Apple)のアイフォーン(iPhone)とアイパッド(iPad)に採用されているマイクロプロセッサーの生産事業でも業績を悪化させている。

 サムスンは2013年末まで、アップルの携帯機器向けマイクロプロセッサー事業ではほぼ独占状態にあったが、2014年に入ると、TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)がアップルに供給し始めたため、サムスンの携帯機器向けチップ出荷数が急減し始めた。

 サムスンのマイクロプロセッサー事業は、自社使用向けチップ「エクシノス(Exynos)」と、TSMCやグローバルファウンドリーズ(Globalfoundries)のように端末メーカーへの供給向けチップの生産という二つに分かれている。

 今年に入ってから、その両方で出荷数が低迷しており、「近い将来の見通しは明るくない」とサムスン幹部も先日認めたばかりだ。

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