シスコとポリコム、ビデオ会議市場で苦戦 〜 ファーウェイに追い上げられる

 ビデオ会議機器大手のシスコ(Cisco Systems)とポリコム(Polycom)は、中国の華為技術(ファーウェイ=Huawei Technologies)からの激しい競争にさらされている。

 米調査会社IDCによると、2018年のビデオ会議機器世界市場は2014年の19.87億ドルから19.97億ドルの微増にとどまると予想される。その背景には、既存の機器を使ったソフトウェア基盤の低価格サービスが何種類も登場したことがある。

 インベスターズ・ビジネス・デイリー紙によると、もっとも大きな打撃を受けているのは最大手のシスコで、同社の同部門売り上げは、2014年第2四半期に前四半期比2.4%減、前年同期比では15%減を強いられたが、ファーウェイはそれぞれ19%増と8.6%増を記録した。

 ポリコムもそれぞれ6.7%減と6.2%減と苦戦している。現時点では、シスコとポリコムは業界1位と2位を維持し、シスコは世界市場の38%を握っている。

 ただ、占有率9.1%で世界3位のファーウェイは、上位2社が過去1年ほど売上減を続けるなか、上位3社のなかで唯一、増収を続けていることから、シスコの占有率が3割を切りポリコムが追い抜かれるのは時間の問題、という見方が強まっている。

 ビデオ会議市場は以前、3万ドル〜5万ドルの製品が主流だったが、現在では、高くても1万ドル、売れ筋は5000ドル、なかには1000ドル以下の製品(主としてソフトウェア)も登場し、シスコとポリコムの市場が奪われている。

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