SAP、クラウド・サービス提供でIBMと提携 〜 IBMのデータ・センターを活用

 SAPは、クラウド事業拡張を目的にIBMと提携した。SAPはIBMのデータ・センターを利用して、自社のソフトウェア製品をインターネット経由で提供する。

 IBMは2013年にソフトレイヤー(SoftLayer)を20億ドルで買収したことで、クラウド事業大手に躍進した。IBMによると、同社が運用するデータ・センターは、ソフトレイヤーの施設や今後建設するものを含め、まもなく40に達する。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、SAPは自社で運用する20のデータ・センターに加えてIBMの施設からクラウド・ソフトウェアを提供することで、自国のデータ・センター利用を希望する欧州企業の需要を取り込めると期待する。

 米国家安全保障局をはじめとする諜報機関のデータ収集手法が明らかにされて以降、企業が外国のデータ・センターよりも地元のデータ・センターを好む傾向は顕在化している。

 SAPはIBMとの提携について、データの主権性問題に対応するためと説明している。

 SAPは新興企業やウェブ系企業に強いアマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)とも提携していた。AWSの利用企業は中小規模が多いが、IBMとの提携によって大手企業への販促強化が可能になる、とSAPは考えている。

 コンステレーション・リサーチ(Constellation Research)のホルガー・ミュラー氏は両社の提携について、SAPが地理的に事業拡大できることに加えて、IBMはソフトレイヤー買収で獲得したデータ・センターの効率的活用が可能になると指摘。「両社にとって非常に重要」という見解を示した。

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