NY連銀、計画の検査実施せず ロンドン鯨事件でFRB

 【共同】連邦準備制度理事会(FRB)の監察官は21日、2012年に発覚した金融大手JPモルガン・チェースのデリバティブ(金融派生商品)取引をめぐる巨額損失事件に関する報告書を公表した。監督権限を担うニューヨーク連邦準備銀行が態勢の不備などからJPモルガンに対して計画した検査を行わず、結果的に巨額損失の発生を許したと結論づけた。

 報告書は問題とされたJPモルガンの取引部門が設立される前年の2004年から損失が発覚した2012年までの経緯を調査。通貨監督庁(OCC)とともに監督権限を担っていたニューヨーク連銀は、2008年にはこのトレーダーに目をつけていたが、他に多くの検査案件があることや人員が不足していることから、実施予定の検査を見送ったという。

 JPモルガンは、「ロンドンの鯨」の異名を取ったトレーダーが関与したデリバティブ取引の失敗で巨額損失を計上。取引記録の改ざんなどの不正行為が伴っていたことから、内部監督の不備を認めて米証券取引委員会(SEC)など米英の4当局に対して9億2000万ドルを超える罰金を支払って和解した。

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