世界自然遺産で重油流出 バングラ、イルカ死骸も

 【共同】世界最大規模のマングローブ林が生育する世界自然遺産、バングラデシュ南西部のスンダルバン地域の河川で、沈没船から大量の重油が流出、事態が深刻化している。カワイルカの死骸や油まみれの鳥も見つかり、生態系に影響が出始めた。

 地元メディアなどによると、スンダルバンのモングラ地区を流れるシェラ川で9日、霧でタンカーに貨物船が衝突、約35万リットルの重油を積んだタンカーが沈没した。油は80キロ以上の距離にわたって広がり、周辺の川に達している。

 スンダルバンには、ベンガルトラなど貴重な野生動物が生息。油の流出で水中の酸素濃度が低下しているとみられ、因果関係は不明だが、沈没地点の一帯ではカワイルカの死骸が見つかった。水中の魚を餌にする鳥が油まみれになる姿も確認されている。

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